婚約破棄とがん騒動

私は、26歳の時スピード婚をしようとしていた。

 

26歳は多くの友達がお嫁に行き、私も同じ波に乗りたかったのかもしれない。

 

出会いは、夏の登山ツアーバスの通路を挟んだ隣の席の男性だった。

 

お互い旅行好きで、行きたいところの旅のスケジュールを決めて、色々出かけた。

 

富士登山のツアーに一緒に参加して。

しまなみ海道を自転車で横断した。

高知や九州とかなりの短期間にあちこち出かけた。

県外だったので、会う時はいつも旅行感覚だ。

 

順調な付き合いだと思っていたけれど、いざ結婚を意識すると

相手の男性は、私とは色々合わないところが多いと思ったようだ。

 

親のあいさつも済んでいた。

 

入籍の日取りも決めて、進めていこうとしていたところだった。

 

電話で、はっきりと「僕と別れて下さい」と言われた。

 

人生で、初の大失恋だ。

フラレたらこんなに辛いのかって知った。

 

その恋は、こじま駅で始まり、こじま駅で終わった。

 

ドリカムやミスチル、失恋の曲を聴いて涙する。

 

 

半年後、なんだか体調が悪い。

 

体重も減っていた。

 

病院を何か所もまわって、がん細胞があるってわかった。

 

診察後に 私は、今日から がん患者なのか?とショックを受ける。

 

勝手に、30歳まで生きられないなら、貯金もどんどん使って、好きなことをやろうと思った。

 

誰にも内緒で、大型バイクの免許を取った。

シーズンになると雪を求めてスノーボードに行った。

ラッパのバンド活動も忙しくして。 

世界遺産の海外にも出かけて。

週末に韓国へ行き、韓国から出勤したり。

遊びの趣味が同じ友達とは、本当によく遊んだ。

  

数ヶ月毎に検査してると、がん細胞が悪い方へ進んでいくのではなかったようだ。

  

やっぱり心のストレスは、身体によくない。

そして今は、別の悩みを抱えている。

 

生きているといろんなことがある。

泣いたり、笑ったり、苦しかったり、悔しかったり

痛みや、痒み、五感を感じられるってことは、生きてる証拠。

 

長い人生、一度くらいフラれてみたっていい。

辛い時期は、友達と時間が解決してくれる。

お金で買えない貴重な経験ができた。

健康でいられるってありがたいことだね。 

心軽やかに生きていけたらいいね。

 

 

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---粛々と 淡々と---