リスペクトする友人

若い彼女は契約社員だった。シングルになるとき一人息子を引取り、実家の母を呼び寄せて親娘の家を建てた。腎臓の調子が悪くなって週2で透析をしていた。その頃、契約社員は、休みを2ヶ月までしか取得できず、手術が決まると退職が目に見えていた。送別会が行われ一旦退職した若い彼女は、母親から腎臓をもらって移植手術を受けた。手術のとき一人息子はまだ保育園児だった。3、4ヶ月後若い彼女はまた契約社員に復帰した。それから数年働き、3月の年度末に次年度の契約を交わさなかった。若い彼女は、契約社員で病気を理由に辞めないといけなかった悔しさをバネに公務員試験を受けて合格していた。契約社員のとき官公庁からの仕事をしていたけれど今度は、契約社員だった会社に仕事を発注する側になった。母子手当のこと障害者手当の話し、自己負担金の話し色々聞かせてくれた。一度も泣き言を聞いたことがない。涙ぐんだのは最後の送別会のときだけ。自宅に招かれたときは、新築の内覧会かと思う程きれいだった。私はこの若い彼女ほど、きれいに整頓されている自宅を見たことがない。身なりも常に最新のファッションをしている。一人息子は中学生になって勉学に励み、部活もレギュラーメンバーになって親子で忙しく活動してる。私は、若い彼女のことを生涯リスペクトし続けるでしょう。若い彼女の腎臓がもう悪くならないことを祈ってる。

 

 

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---粛々と 淡々と---