最初にバイクに乗り出したから、車を持ったのはその後。
就職と同時にみんな車を持つよ。
交通機関のない田舎だと、一人一台よ。
名古屋で働いてた友達が東京で仕事をするから車が必要なくなるってタイミングで、私が譲り受けることになった。
トヨタのスポーツカーだ。
帰りは運転して帰ってくるから保険の手続きをして。
週末、名古屋へ行った。
車を見てびっくり。
助手席の窓がないのよ。
なんでも、車上荒らしにあって、自分が乗らなくなるから修理しなかったって。
アクリル板を窓の形に切ってはめ込んで、すきまをテープで貼りまくった状態だった。
その状態でも有り難かったけど。何もないよりはね。
しょうがないから、そのまま高速のって運転して帰って来たよ。
ミッション車を運転しながら、日本地図を確認する。
ナビなんて付いてないよ。
高速を140キロくらいで走ると。
窓じゃないアクリル板がパタパタして飛んでいきそうなんよ。
距離にして、400キロ以上は、走るからパーキングにも寄るし。
車内で小休憩もする。
ちょっと止めるのが恥ずかしかったね。
整備不良で止められてもおかしくない。
帰ってきてからは、名義変更の手続きと、窓の修理が必須。
失恋したとき、一人で四国1周して、友達に長距離トラックの運転手できるんじゃね?って言われた。
ゆずとエレカシとスカパラを聴きながら歌ってたらどこまでも運転できそうな気がしたよ。
数年乗って最後の方は、トランクの油圧が無くって開閉が危険だった。
結婚する頃、 愛用の車とバイクを手放した。
寂しかったけど、大きな事故もなく、私の独身時代をともにした相棒に、今までありがとうの気持ちだった。
---粛々と 淡々と---